No.17 プロテスタント革命1ー激震と懐柔(1496-99年)
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*プロテスタント革命-激震と懐柔(1496-99年) [#vef22895]
#contents
**プロテスタント革命 [#o2a9bea0]
1496年は、ヨーロッパ中に激震が走る年となった。
ローマ(教皇領)の堕落ぶりには前から眉をひそめる者が多か...
「神の救い」が得られなくのを恐れて、公然と批判できる者は...
しかし、15世紀半ばに活版印刷技術が発明され、聖書が世に広...
なると、カソリックの教義と教会の物欲主義に疑問を感じる国...
ブルゴーニュもそのような国の一つであったが、
ついにローマとの決別とプロテスタントへの改宗を宣言したの...
&color(olive,white){''【プロテスタント革命】''};
#ref(./149608_プロテスタント.JPG,90%)
ヴェネツィアでも物的資源の少ない国の知恵として文化的資源...
1461年に新産業政策として『印刷業の育成』が、当時のドージ...
この政策は大成功を収め、生産技術が毎月+15も得られるように...
言論の自由が確立されているだけに、革新的な思想が広まるの...
1497年にはゼタが、翌1498年にはヴェローナがプロテスタント...
&color(olive,white){''【プロテスタント改宗】''};
#ref(./149705_プロテスタント_ゼタ.JPG,90%)
そればかりではない。
さまざまな書籍が市中に出回ると、人々は快楽主義に溺れるよ...
保守的な教会の教義にだんだん耳を傾けないようになった。
そのため、宣教師を志望する者も全くいなくなってしまい、
いまや新教地域で布教もできない状況にあった((≪作者注釈1:...
ヴェネツィアは''『重商共和制』''であるだけに、商売にある...
経験的に知っており、もともと異教や異端に寛容((≪作者注釈2...
とはいえ、お互いを完全に尊重する、というほどには寛容には...
新教に改宗したゼタやヴェローナの人々と他の旧教を信じる地...
徐々に不協和音が見られるようになった。
「いったい誰が『印刷業の育成』など推進したのだ。」
第71代ヴェネツィア共和国ドージェ(元首)ファブリツィオ・...
病床の中、昔の政治家に対して悪態をついたが、どうにもなら...
この年、オデスカルキは新教と旧教の対立を最期まで心配しつ...
**新教懐柔政策 [#q4a4cd7c]
1499年3月、元老院では隣国ピサに大使として赴任していたピエ...
帰国報告会が行われていた。
ヴェネツィアでは大使の帰国報告は、赴任国の状況を詳細にわ...
その出来栄えによって、中央政界へ引き立てられることも多く、
報告者にとっては重要なイベントである。
「近年、ブルゴーニュで始まったプロテスタント革命の影響は、
隣国ピサにも押し寄せており、新教教徒が増加しつつあります。
ピサは、我が国とは異なり、保守的な体質を維持する国家であ...
『聖書翻訳禁止法』や『秘密集会禁止法』の導入によって旧教...
『信仰寛容の宣言』も行うことである程度新教教徒を認める方...
「『信仰寛容の宣言』とはどのような政策ですか。」
「国教以外の宗教を禁止するすべての法を廃止し、
平等に礼拝の自由や、軍役や公職の分野における職業選択の自...
というものです。
この政策の導入により、ピサでは新教教徒の不満は和らいでき...
「また、ピサでは最近『裁判所』が設立されました。」
「それはどのようなものですか。」
「争いごとにおいて、両方の言い分を聞いてどちらが正しいか...
機関であります。
これまでのように仲裁者の裁量によって裁くのではなく、
法に基づいて公正に両者を裁いており、民衆の不満を和らげる...
おります。」
「ほう。」
「革新的な気質を持つ我が国に『聖書翻訳禁止法』や『秘密集...
法整備や行政機構の整ったいま、『信仰寛容の宣言』や『裁判...
我が国でも十分役に立つ制度でありましょう。
以上、報告とさせて頂きます。」
元老院の議員はもちろん、第72代ドージェ(元首)ルドヴィコ...
この報告に感嘆した。
ピエトロ・ボルデノーネは智謀家として、ドージェ顧問団に迎...
&color(olive,white){''『信仰寛容の宣言』''};と&color(oliv...
&color(olive,white){''【宗教によって差別してはならない】'...
#ref(./149903_信仰寛容の宣言.JPG,90%)
このうち、ヴェネツィアにおける『裁判所』は法に基づき非常...
諸国からも評判となったのであった。
だが、これらの政策も、旧教徒と新教徒が同一の国家に混在す...
根本的な改善とはなり得ない。
では、宣教師を増やすためにどのような方策をとっていったか...
次話で述べることにする。
(No.18に続く)
----
&size(15){次話「[[No.18 プロテスタント革命2ー保守化(1500...
&size(15){前話「[[No.16 ヴェネツィアとナクソス公国(1430-...
&size(15){タイトル「[[アドリア海の女王]]」にもどる};
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*プロテスタント革命-激震と懐柔(1496-99年) [#vef22895]
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**プロテスタント革命 [#o2a9bea0]
1496年は、ヨーロッパ中に激震が走る年となった。
ローマ(教皇領)の堕落ぶりには前から眉をひそめる者が多か...
「神の救い」が得られなくのを恐れて、公然と批判できる者は...
しかし、15世紀半ばに活版印刷技術が発明され、聖書が世に広...
なると、カソリックの教義と教会の物欲主義に疑問を感じる国...
ブルゴーニュもそのような国の一つであったが、
ついにローマとの決別とプロテスタントへの改宗を宣言したの...
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ヴェネツィアでも物的資源の少ない国の知恵として文化的資源...
1461年に新産業政策として『印刷業の育成』が、当時のドージ...
この政策は大成功を収め、生産技術が毎月+15も得られるように...
言論の自由が確立されているだけに、革新的な思想が広まるの...
1497年にはゼタが、翌1498年にはヴェローナがプロテスタント...
&color(olive,white){''【プロテスタント改宗】''};
#ref(./149705_プロテスタント_ゼタ.JPG,90%)
そればかりではない。
さまざまな書籍が市中に出回ると、人々は快楽主義に溺れるよ...
保守的な教会の教義にだんだん耳を傾けないようになった。
そのため、宣教師を志望する者も全くいなくなってしまい、
いまや新教地域で布教もできない状況にあった((≪作者注釈1:...
ヴェネツィアは''『重商共和制』''であるだけに、商売にある...
経験的に知っており、もともと異教や異端に寛容((≪作者注釈2...
とはいえ、お互いを完全に尊重する、というほどには寛容には...
新教に改宗したゼタやヴェローナの人々と他の旧教を信じる地...
徐々に不協和音が見られるようになった。
「いったい誰が『印刷業の育成』など推進したのだ。」
第71代ヴェネツィア共和国ドージェ(元首)ファブリツィオ・...
病床の中、昔の政治家に対して悪態をついたが、どうにもなら...
この年、オデスカルキは新教と旧教の対立を最期まで心配しつ...
**新教懐柔政策 [#q4a4cd7c]
1499年3月、元老院では隣国ピサに大使として赴任していたピエ...
帰国報告会が行われていた。
ヴェネツィアでは大使の帰国報告は、赴任国の状況を詳細にわ...
その出来栄えによって、中央政界へ引き立てられることも多く、
報告者にとっては重要なイベントである。
「近年、ブルゴーニュで始まったプロテスタント革命の影響は、
隣国ピサにも押し寄せており、新教教徒が増加しつつあります。
ピサは、我が国とは異なり、保守的な体質を維持する国家であ...
『聖書翻訳禁止法』や『秘密集会禁止法』の導入によって旧教...
『信仰寛容の宣言』も行うことである程度新教教徒を認める方...
「『信仰寛容の宣言』とはどのような政策ですか。」
「国教以外の宗教を禁止するすべての法を廃止し、
平等に礼拝の自由や、軍役や公職の分野における職業選択の自...
というものです。
この政策の導入により、ピサでは新教教徒の不満は和らいでき...
「また、ピサでは最近『裁判所』が設立されました。」
「それはどのようなものですか。」
「争いごとにおいて、両方の言い分を聞いてどちらが正しいか...
機関であります。
これまでのように仲裁者の裁量によって裁くのではなく、
法に基づいて公正に両者を裁いており、民衆の不満を和らげる...
おります。」
「ほう。」
「革新的な気質を持つ我が国に『聖書翻訳禁止法』や『秘密集...
法整備や行政機構の整ったいま、『信仰寛容の宣言』や『裁判...
我が国でも十分役に立つ制度でありましょう。
以上、報告とさせて頂きます。」
元老院の議員はもちろん、第72代ドージェ(元首)ルドヴィコ...
この報告に感嘆した。
ピエトロ・ボルデノーネは智謀家として、ドージェ顧問団に迎...
&color(olive,white){''『信仰寛容の宣言』''};と&color(oliv...
&color(olive,white){''【宗教によって差別してはならない】'...
#ref(./149903_信仰寛容の宣言.JPG,90%)
このうち、ヴェネツィアにおける『裁判所』は法に基づき非常...
諸国からも評判となったのであった。
だが、これらの政策も、旧教徒と新教徒が同一の国家に混在す...
根本的な改善とはなり得ない。
では、宣教師を増やすためにどのような方策をとっていったか...
次話で述べることにする。
(No.18に続く)
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&size(15){次話「[[No.18 プロテスタント革命2ー保守化(1500...
&size(15){前話「[[No.16 ヴェネツィアとナクソス公国(1430-...
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