14世紀末~ 海峡戦争(1)
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[[船乗りの町]]
|#ref(Hanseatic_league.jpg)|
|CENTER:帝国自由都市ハンブルク|
#contents
----
**戦争の世紀 [#ycc05d30]
忙しく立ち働く人夫や商人、役人、再会を喜ぶ家族、友人、...
ハンブルクの港が俄かに湧き返っているのは、西の大商業都...
帰ってきたからだった。商用コッグに山と積まれた輝かんばか...
ルゴーニュ産ワイン、イタリア商人の持ち込んだ東方の奢侈品...
は我が都市も、世界中から商品の集まる街にしたいものだ。
積荷は港湾労働者の手で運び出され、投資した商人の下へ納...
いて、関税・通商税を取り立てる。元々人口も多くなく、前世...
ルクにとり貴重な収入源であった。
友人を待っているのは他の市民たちと変わらないが、アーダ...
即ちハンブルク総督という責任ある立場だった。それは待ち人...
「しばらく待たねばなるまいな」
「そうでもないぞ」
ふらりと現れた男は、年齢はアーダルベルトとほとんど変わ...
深い皺の刻まれた笑顔は活力にあふれるものだった。
「コンラート!」
「よう、一年ぶりというところか。まずは総督就任おめでとう」
コンラート・グリューネヴァルトは船乗りだ。コッグを駆っ...
ランドまで行ったりもする。港に停泊している船は彼のものだ...
「この国難で私にどこまでやれるものか。選挙のときにおまえ...
「よしてくれ。俺には荷がかち過ぎる」
すぐに本題に入るのは気が重く、アーダルベルトは話題を変...
「英仏戦争はどうなっている?」
「小康状態だ。イングランドで王朝の交代があったのは知って...
伯がヘンリー4世となった。しばらくの間は国内問題にかかり...
「フランスは?」
「アルマニャック派とブルゴーニュ派で宮廷は分裂しているら...
ワインを手に入れるのに苦労したぜ」
ハンブルクの重要な取引先、アントウェルペンはブルゴーニ...
「ドーバーはまだまだ荒れるな。で、そっちはどうだ?」
そう指摘されて、アーダルベルトは俯いた。エーレスンドこ...
ークである。かの王国は1399年末に独立保障、1400年に警告、...
ろは間違いなく、このハンブルクの併合である。
デンマークとの対立は前世紀から続く因縁であった。1370年...
すると、雪辱を期して軍事力の増強に励んでいたようである。...
北欧3国を統合するカルマル同盟の締結となる。
この現実的な脅威に対抗して市参事会は合議制から総督体制...
のことだった。
「近いうちに参事会を開く。そのときは出てきてくれ」
「了解した。……近々、何か起こりそうなのか?」
「チュートン騎士団の戦争については聞いていないか?」
「タンネンベルクでポーランド・リトアニア連合に敗れたとい...
バルト海沿岸に勢力を張るチュートン騎士団は長らくポーラ...
ポーランドはリトアニア大公国と同君連合を結ぶ。世に言うク...
対立はチュートン騎士団のマゾヴィア公領侵攻で頂点に達し...
スラブ3大国を敵に回して、いよいよ騎士団も旗色悪しと見ら...
「チュートン騎士団の劣勢に乗ずるつもりなのか、デンマーク...
放って調べているところだ。数日のうちに報告が来ると思う」
**ハンブルク市参事会 [#sce1dd49]
コンラートの下へ市参事会の召集がきたのは10日ほど後のこ...
議場には、商人・手工業各ギルドの親方や貴族たち、ハンブ...
の尊敬を集めるベテラン船長とはいえ、一介の船乗りでしかな...
不意にそれまでの喧騒が静まりかえれば、議場に代表団が入...
交易事務を司るマルクス・エッガース、生産部門の担当マル...
いずれも総督を補佐する顧問団である。お決まりの挨拶で開会...
の若者が立ち上がった。
「彼は誰だい?」隣の議員に聞くと、
「ダベルシュタインってえ貴族さ。総督閣下が才を見込んで幕...
るのかもしらんな」
ほお、と頷き、その話に耳を傾ける。
「皆様も御承知の通り、騎士団とポーランドら連合との間で勃...
ても無関係ではなくなりました。そして、先日入った報告によ...
件に和平を結んだそうです」
議場がざわめく。ゴトランド島はハンザ商人にとって馴染み...
「ゴトランドではヴェスビィ市参事会を中心に共和国の再建が...
「それは良かった」「ああ、騎士団め、ざまあみろだ」「これ...
ダベルシュタインなる青年が席に戻ると、今度は代表の番だ...
「そこで議員諸氏に代表団から提案したい。我々ハンブルクは...
する」
議場に一瞬茫漠とした静寂が訪れ、そして、混乱の大渦が広...
戦争の準備は着々と進んでいた。
キャラック3隻、コッグ2隻の海軍はいつでも出港可能。陸...
が、どちらにせよデンマーク軍に勝つには足りない。対岸の大...
5隻という強力な海軍がある。
ゴトランドに宣戦布告というが、警告を発したデンマークの...
めの戦いと言っていい。警告での参戦はデンマーク単独のもの...
デンは参戦できないのだ。そして何よりも、先手を取れる。
「なるほど」コンラートが唸る。
|#ref(海戦計画.jpg)|
|CENTER:エーレスンド海戦計画|
総督の居室に主だった面々だけを集め、作戦の詰めがもたれ...
デンマーク陸軍はシェラン島に集中している。海軍で海峡を...
「デンマーク陸軍が動けないうちに、ゴトランドを併合し、ユ...
を狙う、と」
「現状最善の策ではありませんか?」ダベルシュタインの問い...
「だが不可能だ。どうやって海峡を封鎖する? 半分に満たな...
「勝つ必要はないんだ。時間を稼いでくれたらいい。陸軍が占...
「そのための盾になれと? 海軍は捨石か!」
「………………すまない」
俯くアーダルベルトに、コンラートはため息をつく。他に方...
しばらくじっと地図に見入って、老船乗りの頭にひとつひら...
「海戦は俺に任せてくれ」
**第一次海峡戦争 [#c6195089]
|#ref(ヴェスヴィ.jpg)|
|CENTER:ゴトランド共和国首都ヴェスビィ|
1404年末、バルト海を2隻のコッグ船が航行していた。
ハンザ同盟は冬期の交易活動を禁止している。冬の海は荒れ...
勇み足して遭難する者も絶えなかった。沿岸都市の人々は怪訝...
クがゴトランドの独立を祝して外交団を派遣したらしい――。
ヴェスビィはスウェーデン系住民が多数を占めるが、ハンザ...
チュートン騎士団が併合した後も、商人の往来は失われていな...
「なるほど、粋なことをするもんだ。年が明けたらわしらの商...
当然ながら、ヴェスビィ市民はダベルシュタイン使節団を大...
積み込まれているとは思いもしなかったのである。
明けた1405年1月1日。
叩き起こされた市長は寝惚け眼の前に差し出された書状を理...
ンなる青年貴族は高慢に告げるのである。
「明けましておめでとう。ハンブルク市参事会から貴国へのお...
そう言うや、市長宅を出、ダベルシュタインは港へ馬を走ら...
が展開していた。ゴトランド守備軍など装備を整える間もなく...
「我々に求められるのは速さだ! 海の向こうでは海軍が街を...
なぜ、デンマークがそれほどまでにハンザ同盟を敵視するの...
十字軍による東方植民以来、北欧の商業はドイツ商人に牛耳...
ストックホルムなど、ドイツ人により発展した街が少なくない...
うものは認めざるをえない。
けれど、これからはそうではならないのだ。国家権力は中央...
きである――近年流行の、中央集権・重商主義の考え方だった。...
経済的植民地であったとも言える。
シェラン島はコペンハーゲンのデンマーク王宮にて。
ハンブルク宣戦布告の報が入るや、陸海の大将が召集されて...
マルグレーテが付き添う。いや、ここでは女王マルグレーテ1...
欧3国をまとめあげたカルマル同盟の立役者なのだ。
彼女は父ヴァルデマー4世の受けた屈辱を忘れていなかった...
シュトラールズントの和議である。この戦争は永年悲願の雪辱...
「一年内に、あの憎たらしいドイツ人の街に我が紅地白十字旗...
「陛下のご期待に添えるよう、将兵共々全力を尽くす所存」
また、ハンブルクの蛮行は帝国諸侯にも伝わり、軍事同盟を...
ラバント公が同盟破棄を通達してきた。
「今は些事だ。行けるところまで突き進むのみ。いかなる汚名...
「縁起でもないことを。英雄となって、市庁舎の前に銅像でも...
総督アーダルベルトは1個連隊騎兵を率いてスレースヴィへ...
エーレスンドへ漕ぎ出した。
斥候がコペンハーゲン港から敵艦隊の出撃を報せる。
「よいか、俺たちの目的は時間稼ぎだ。砲で牽制しながら距離...
それでもいつまで逃げ続けられるだろうか。8隻のデンマー...
冬の荒海に砲撃が轟く。
コンラート率いるハンブルク海軍は巧みに回避しながら反撃...
「提督、東方に艦隊が!」
見張り台の水夫が悲鳴に近い声で報告する。東の彼方、狭い...
最中に航行する商船はなかろう。とすれば、どこの海軍か。
「よく見ろ。帆に紋章が描かれているはずだ」
「はい! あれは……黒い十字架が」
甲板がどよめく。武骨な黒十字こそチュートン騎士団の紋章...
続いていたのだ。
「旗信号です! 『風上に回って斬り込む故、砲撃の援護を頼...
「うむ。『了解した。援軍感謝する』と伝えよ」
騎士団の南バルト海権益を護る、16隻のガレー大艦隊が旋回...
だが、海軍の士気は高い。
こうして始まるエーレスンド海戦は一年近くにもわたって続...
ハンザ同盟の盟主リューベックは参戦こそしないものの、港...
にありつけた。それでも両軍疲労は蓄積されていく。むしろ、...
たと称えられるべきだろう。海へ再び冬が訪れる頃、ガレーを...
コペンハーゲンに逃げ込んだ。
陸ではゴトランド共和国は併合され、スレースヴィ、ユトラ...
したラインハルト・ダベルシュタインを新総督に据えて、更な...
2度目の海戦でもハンブルク・騎士団連合艦隊に敗れると、...
結果、開戦からおよそ2年後の1407年12月6日、スレースヴ...
の賠償金で講和と相成った。
|#ref(第一次戦争講和.jpg)|
|CENTER:ハンブルクはスレースヴィとゴトランドを獲得|
当初の計画からすれば大勝利である。市内は沸きに沸いた。...
祝勝の使者が絶えない。海戦のために2年間も途絶していた海...
だが、デンマークがこれで諦めたかと思えば大間違いだった。
もうひとつの百年戦争とも言うべき長く苦しい戦いが、この...
**貿易振興と第二次海峡戦争 [#qe620c45]
|#ref(有望な交易商人.jpg)|
|CENTER:自由貿易政策の推進により、有望な交易商人が登場|
第一次海峡戦争の後、一人の商人がハンブルクを訪れる。ア...
貿易商人とも、レコンキスタの煽りで居場所を失ったイベリア...
ダベルシュタイン総督は諸手を挙げて彼を歓待する。
「ぜひ、我が街の貿易を手助けしてください」
1412年3月、統一的交易方針が採択された。
戦争に勝ったとはいえ、ハンブルクのおかれた状況は依然厳...
ゴトランドでは反乱が相次ぎ、休戦期間の明けた1413年5月、...
今度はスウェーデン・ノルウェーのカルマル同盟も参戦。一...
1世のクレーフェ、独立保障を宣言していたヘッセン・ミュン...
前回の戦争後に再び同盟を結んでいたポメラニアはこの度も...
マーク王はポメラニア公家から血筋を引いているためかもしれ...
第一次海峡戦争に比べると、参戦国の数の割に戦闘は小規模...
エーレスンドでノルウェー海軍を撃破すると制海権はハンブ...
いった。1416年10月に講和が結ばれる。ハンブルクはこれ以上...
ウェーデンが出てくることから、賠償金も求めなかった。
|#ref(アルブレヒト・リープ.jpg)|
|CENTER:第二次海峡戦争中、アルブレヒト・リープの名声は国...
LEFT:[[序盤戦略方針]]← RIGHT:→[[15世紀前期 海峡戦争(2...
[[船乗りの町]]
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[[船乗りの町]]
|#ref(Hanseatic_league.jpg)|
|CENTER:帝国自由都市ハンブルク|
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**戦争の世紀 [#ycc05d30]
忙しく立ち働く人夫や商人、役人、再会を喜ぶ家族、友人、...
ハンブルクの港が俄かに湧き返っているのは、西の大商業都...
帰ってきたからだった。商用コッグに山と積まれた輝かんばか...
ルゴーニュ産ワイン、イタリア商人の持ち込んだ東方の奢侈品...
は我が都市も、世界中から商品の集まる街にしたいものだ。
積荷は港湾労働者の手で運び出され、投資した商人の下へ納...
いて、関税・通商税を取り立てる。元々人口も多くなく、前世...
ルクにとり貴重な収入源であった。
友人を待っているのは他の市民たちと変わらないが、アーダ...
即ちハンブルク総督という責任ある立場だった。それは待ち人...
「しばらく待たねばなるまいな」
「そうでもないぞ」
ふらりと現れた男は、年齢はアーダルベルトとほとんど変わ...
深い皺の刻まれた笑顔は活力にあふれるものだった。
「コンラート!」
「よう、一年ぶりというところか。まずは総督就任おめでとう」
コンラート・グリューネヴァルトは船乗りだ。コッグを駆っ...
ランドまで行ったりもする。港に停泊している船は彼のものだ...
「この国難で私にどこまでやれるものか。選挙のときにおまえ...
「よしてくれ。俺には荷がかち過ぎる」
すぐに本題に入るのは気が重く、アーダルベルトは話題を変...
「英仏戦争はどうなっている?」
「小康状態だ。イングランドで王朝の交代があったのは知って...
伯がヘンリー4世となった。しばらくの間は国内問題にかかり...
「フランスは?」
「アルマニャック派とブルゴーニュ派で宮廷は分裂しているら...
ワインを手に入れるのに苦労したぜ」
ハンブルクの重要な取引先、アントウェルペンはブルゴーニ...
「ドーバーはまだまだ荒れるな。で、そっちはどうだ?」
そう指摘されて、アーダルベルトは俯いた。エーレスンドこ...
ークである。かの王国は1399年末に独立保障、1400年に警告、...
ろは間違いなく、このハンブルクの併合である。
デンマークとの対立は前世紀から続く因縁であった。1370年...
すると、雪辱を期して軍事力の増強に励んでいたようである。...
北欧3国を統合するカルマル同盟の締結となる。
この現実的な脅威に対抗して市参事会は合議制から総督体制...
のことだった。
「近いうちに参事会を開く。そのときは出てきてくれ」
「了解した。……近々、何か起こりそうなのか?」
「チュートン騎士団の戦争については聞いていないか?」
「タンネンベルクでポーランド・リトアニア連合に敗れたとい...
バルト海沿岸に勢力を張るチュートン騎士団は長らくポーラ...
ポーランドはリトアニア大公国と同君連合を結ぶ。世に言うク...
対立はチュートン騎士団のマゾヴィア公領侵攻で頂点に達し...
スラブ3大国を敵に回して、いよいよ騎士団も旗色悪しと見ら...
「チュートン騎士団の劣勢に乗ずるつもりなのか、デンマーク...
放って調べているところだ。数日のうちに報告が来ると思う」
**ハンブルク市参事会 [#sce1dd49]
コンラートの下へ市参事会の召集がきたのは10日ほど後のこ...
議場には、商人・手工業各ギルドの親方や貴族たち、ハンブ...
の尊敬を集めるベテラン船長とはいえ、一介の船乗りでしかな...
不意にそれまでの喧騒が静まりかえれば、議場に代表団が入...
交易事務を司るマルクス・エッガース、生産部門の担当マル...
いずれも総督を補佐する顧問団である。お決まりの挨拶で開会...
の若者が立ち上がった。
「彼は誰だい?」隣の議員に聞くと、
「ダベルシュタインってえ貴族さ。総督閣下が才を見込んで幕...
るのかもしらんな」
ほお、と頷き、その話に耳を傾ける。
「皆様も御承知の通り、騎士団とポーランドら連合との間で勃...
ても無関係ではなくなりました。そして、先日入った報告によ...
件に和平を結んだそうです」
議場がざわめく。ゴトランド島はハンザ商人にとって馴染み...
「ゴトランドではヴェスビィ市参事会を中心に共和国の再建が...
「それは良かった」「ああ、騎士団め、ざまあみろだ」「これ...
ダベルシュタインなる青年が席に戻ると、今度は代表の番だ...
「そこで議員諸氏に代表団から提案したい。我々ハンブルクは...
する」
議場に一瞬茫漠とした静寂が訪れ、そして、混乱の大渦が広...
戦争の準備は着々と進んでいた。
キャラック3隻、コッグ2隻の海軍はいつでも出港可能。陸...
が、どちらにせよデンマーク軍に勝つには足りない。対岸の大...
5隻という強力な海軍がある。
ゴトランドに宣戦布告というが、警告を発したデンマークの...
めの戦いと言っていい。警告での参戦はデンマーク単独のもの...
デンは参戦できないのだ。そして何よりも、先手を取れる。
「なるほど」コンラートが唸る。
|#ref(海戦計画.jpg)|
|CENTER:エーレスンド海戦計画|
総督の居室に主だった面々だけを集め、作戦の詰めがもたれ...
デンマーク陸軍はシェラン島に集中している。海軍で海峡を...
「デンマーク陸軍が動けないうちに、ゴトランドを併合し、ユ...
を狙う、と」
「現状最善の策ではありませんか?」ダベルシュタインの問い...
「だが不可能だ。どうやって海峡を封鎖する? 半分に満たな...
「勝つ必要はないんだ。時間を稼いでくれたらいい。陸軍が占...
「そのための盾になれと? 海軍は捨石か!」
「………………すまない」
俯くアーダルベルトに、コンラートはため息をつく。他に方...
しばらくじっと地図に見入って、老船乗りの頭にひとつひら...
「海戦は俺に任せてくれ」
**第一次海峡戦争 [#c6195089]
|#ref(ヴェスヴィ.jpg)|
|CENTER:ゴトランド共和国首都ヴェスビィ|
1404年末、バルト海を2隻のコッグ船が航行していた。
ハンザ同盟は冬期の交易活動を禁止している。冬の海は荒れ...
勇み足して遭難する者も絶えなかった。沿岸都市の人々は怪訝...
クがゴトランドの独立を祝して外交団を派遣したらしい――。
ヴェスビィはスウェーデン系住民が多数を占めるが、ハンザ...
チュートン騎士団が併合した後も、商人の往来は失われていな...
「なるほど、粋なことをするもんだ。年が明けたらわしらの商...
当然ながら、ヴェスビィ市民はダベルシュタイン使節団を大...
積み込まれているとは思いもしなかったのである。
明けた1405年1月1日。
叩き起こされた市長は寝惚け眼の前に差し出された書状を理...
ンなる青年貴族は高慢に告げるのである。
「明けましておめでとう。ハンブルク市参事会から貴国へのお...
そう言うや、市長宅を出、ダベルシュタインは港へ馬を走ら...
が展開していた。ゴトランド守備軍など装備を整える間もなく...
「我々に求められるのは速さだ! 海の向こうでは海軍が街を...
なぜ、デンマークがそれほどまでにハンザ同盟を敵視するの...
十字軍による東方植民以来、北欧の商業はドイツ商人に牛耳...
ストックホルムなど、ドイツ人により発展した街が少なくない...
うものは認めざるをえない。
けれど、これからはそうではならないのだ。国家権力は中央...
きである――近年流行の、中央集権・重商主義の考え方だった。...
経済的植民地であったとも言える。
シェラン島はコペンハーゲンのデンマーク王宮にて。
ハンブルク宣戦布告の報が入るや、陸海の大将が召集されて...
マルグレーテが付き添う。いや、ここでは女王マルグレーテ1...
欧3国をまとめあげたカルマル同盟の立役者なのだ。
彼女は父ヴァルデマー4世の受けた屈辱を忘れていなかった...
シュトラールズントの和議である。この戦争は永年悲願の雪辱...
「一年内に、あの憎たらしいドイツ人の街に我が紅地白十字旗...
「陛下のご期待に添えるよう、将兵共々全力を尽くす所存」
また、ハンブルクの蛮行は帝国諸侯にも伝わり、軍事同盟を...
ラバント公が同盟破棄を通達してきた。
「今は些事だ。行けるところまで突き進むのみ。いかなる汚名...
「縁起でもないことを。英雄となって、市庁舎の前に銅像でも...
総督アーダルベルトは1個連隊騎兵を率いてスレースヴィへ...
エーレスンドへ漕ぎ出した。
斥候がコペンハーゲン港から敵艦隊の出撃を報せる。
「よいか、俺たちの目的は時間稼ぎだ。砲で牽制しながら距離...
それでもいつまで逃げ続けられるだろうか。8隻のデンマー...
冬の荒海に砲撃が轟く。
コンラート率いるハンブルク海軍は巧みに回避しながら反撃...
「提督、東方に艦隊が!」
見張り台の水夫が悲鳴に近い声で報告する。東の彼方、狭い...
最中に航行する商船はなかろう。とすれば、どこの海軍か。
「よく見ろ。帆に紋章が描かれているはずだ」
「はい! あれは……黒い十字架が」
甲板がどよめく。武骨な黒十字こそチュートン騎士団の紋章...
続いていたのだ。
「旗信号です! 『風上に回って斬り込む故、砲撃の援護を頼...
「うむ。『了解した。援軍感謝する』と伝えよ」
騎士団の南バルト海権益を護る、16隻のガレー大艦隊が旋回...
だが、海軍の士気は高い。
こうして始まるエーレスンド海戦は一年近くにもわたって続...
ハンザ同盟の盟主リューベックは参戦こそしないものの、港...
にありつけた。それでも両軍疲労は蓄積されていく。むしろ、...
たと称えられるべきだろう。海へ再び冬が訪れる頃、ガレーを...
コペンハーゲンに逃げ込んだ。
陸ではゴトランド共和国は併合され、スレースヴィ、ユトラ...
したラインハルト・ダベルシュタインを新総督に据えて、更な...
2度目の海戦でもハンブルク・騎士団連合艦隊に敗れると、...
結果、開戦からおよそ2年後の1407年12月6日、スレースヴ...
の賠償金で講和と相成った。
|#ref(第一次戦争講和.jpg)|
|CENTER:ハンブルクはスレースヴィとゴトランドを獲得|
当初の計画からすれば大勝利である。市内は沸きに沸いた。...
祝勝の使者が絶えない。海戦のために2年間も途絶していた海...
だが、デンマークがこれで諦めたかと思えば大間違いだった。
もうひとつの百年戦争とも言うべき長く苦しい戦いが、この...
**貿易振興と第二次海峡戦争 [#qe620c45]
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|CENTER:自由貿易政策の推進により、有望な交易商人が登場|
第一次海峡戦争の後、一人の商人がハンブルクを訪れる。ア...
貿易商人とも、レコンキスタの煽りで居場所を失ったイベリア...
ダベルシュタイン総督は諸手を挙げて彼を歓待する。
「ぜひ、我が街の貿易を手助けしてください」
1412年3月、統一的交易方針が採択された。
戦争に勝ったとはいえ、ハンブルクのおかれた状況は依然厳...
ゴトランドでは反乱が相次ぎ、休戦期間の明けた1413年5月、...
今度はスウェーデン・ノルウェーのカルマル同盟も参戦。一...
1世のクレーフェ、独立保障を宣言していたヘッセン・ミュン...
前回の戦争後に再び同盟を結んでいたポメラニアはこの度も...
マーク王はポメラニア公家から血筋を引いているためかもしれ...
第一次海峡戦争に比べると、参戦国の数の割に戦闘は小規模...
エーレスンドでノルウェー海軍を撃破すると制海権はハンブ...
いった。1416年10月に講和が結ばれる。ハンブルクはこれ以上...
ウェーデンが出てくることから、賠償金も求めなかった。
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|CENTER:第二次海峡戦争中、アルブレヒト・リープの名声は国...
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