[[水の都の物語]]

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|CENTER:1453年シナリオはコンスタンチノープル陥落で幕を開ける|

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*コンスタンチノープル陥落 [#fbd5cb7d]

どーん、閣下! オスマントルコの荒れ狂う軍勢がビザンツ帝国を滅ぼしましたぞ!

「何だって?」

ベネツィア共和国の元首(ドーチェ)、フランシスコ・フォスカリはびっくらこきました。
というのも、コンスタンチノープルは交易国家であるヴェネツィアにとって最大の商売相手の一つであり、そこを異教徒たちに占拠されるということは、東地中海の交易ルートの大部分を失ってしまう、ということに他ならなかったからです。

当時ヴェネツィアは、本土である北イタリアを巡って、ミラノ公国と戦争状態にありました。
ジェノヴァ共和国やフィレンツェ共和国はヴェネツィアの商売敵だし、現世利益主義のヴェネツィアは、ローマの教皇庁ともあまり仲がよくありませんでした。
そのうえ、ハンガリー王とはダマルツィア地方を巡って争った三十年前の遺恨が残っていましたし、バルカン半島南部のギリシャ系王国は、ビザンツ帝国を事実上見捨てていたヴェネツィアのことを快く思っていませんでした。
これに加えて異教徒のオスマントルコの躍進です。
ようするにヴェネツィアは、コンスタンティノープル陥落の報告に接したとき、すでに四面楚歌の、お前はもう死んでいる状態にありました。
事実、史実では東地中海の交易を牛耳って繁栄を極めたヴェネツィア共和国の落日は、この十五世紀から始まったのです。

「もうだめじゃー。ばぶー」

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|CENTER:ゲーム開始時点の勢力範囲|

現実から目を逸らせようと、幼児退行をはじめなさった我らがドーチェ。ああおいたわしや。
ドーチェ、ドーチェ、そんなに心配しなさんな。
やれることはいくらでもあります。
未来は可能性に満ちています。
この逆境を乗り越えて、ヴェネツィアを再び東地中海の女王と呼ばれるに相応しい国家にしようではありませんか。

我らが共和国は、まず喫緊の戦争状態から脱する必要があります。
傭兵を雇ってミラノに遠征し、したたかにしばいてやって属国化します。
そもそも、このヴェネツィア・ミラノ戦争は、ミラノの専制君主が従属都市に対してあまりに過酷な支配をするので、従属都市の諸君が「たすけて、ヴェネツィアさん!」と泣きついてきて、「おお、まかせんしゃい」と答えたのがことの発端。
どちらかといえばヴェネツィアは善玉なのです。
北イタリアに直轄領と属国をもつことができてよかったです。

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|CENTER:ミラノ公国死亡確認!|

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*ヴェネツィア? ヴェネツィア! [#z1e41ffa]

さあ、戦争が終わったところで事実上のゲーム開始です。
このゲームでは、経済、軍事、外交などの分野で中世ヨーロッパのシステムがうまく再現されています。
経済は、自国領から定期的にあがってくる租税と、各地の交易地に自国商人を送り込んでもたらされる交易黒字が収入の二本柱です。
この収入から技術投資や外交費用、軍隊維持費をまかないます。
実際の歴史でもそうですが、経済は社会構造の土台です。
お金がなければなんにもできない。
ところで我がヴェネツィア共和国は、そのお金を稼ぐのになかなか有利な立場にありました。
まずはじめから領土が広い。
北イタリアにもつ本土だけでなく、アドリア海東岸に二つの拠点を持ち、東地中海にクレタ島という拠点を持ち、さらにコルフやロドス、ナクソスといった小国を属国にしているか属国にする寸前です。
ここからまず一定の租税収入があるわけです。
がんばれ、農民のみなさん!

そして、そして、さらにヴェネツィアは交易事業に非常なアドバンテージをもっています。
まず共和国は、海軍と重商主義を重視している設定になっています。
このため、ヴェネツィア商人が毎年たくさん補充され、かつ商人を海外に派遣する費用が安くなっています。
この商人派遣費用についてはさらにボーナスがあり、ヴェネツィアの場合、国策として「統一的交易事業」を採用しているために派遣費用が三分の一カットされ、いまなら政体として「重商共和制」を採用しているため四分の一カットのボーナスもつきます。
つまりヴェネツィアは、他の諸国に比べ、半分以下の費用で各地の交易地に自国商人を送り込めるというわけです。

これを活かさない手はありませんね。
とりあえず商人たちを各地の交易地に送り込み、ガンガンお金を稼ぐことから始めようと思います。
だいたい、世の中カネですよ、カネ。
お金さえあれば何でもできます。
金で買えないものはありません。
愛だって正義だって買えます(事実、中世ヨーロッパでは嫁の持参金目当ての結婚がざらでしたし、ローマの法王庁でイニシアチヴを発揮するためには賄賂が必要不可欠でした)。
まずたくさんお金を稼いで、厄介なイタリア問題とか、トルコのバルカン侵略とかは、そのあとで考えることにしようではありませんか。ねえ、ドーチェ?

「うん、おら、なんだかやれそうな気がしてきたぞ!」

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