UPatch の将来の修正のためのゲームバランスに関する調査と議論ページです。ご意見ご感想求む。 ページが大きくなってきたので分割しました。
生産物の価格は別々に計算される需要値と供給値によって決められる。 供給値はその生産物を産する州の総和、需要値は全ての州の総和によって決まり、 国勢台帳のP27で調べる事ができる。
生産物の価格 = 基本価格 × (225% - 供給値) × 需要値
この計算式は、供給不足による価格上昇は2倍がせいぜいなのに対し、 需要不足による価格低下は1/10以下にもなりうるという事を意味する。
ところで、生産物は大雑把にわけて日用品と貿易品に大別されており、 日用品はヨーロッパ中心、交易品はアジア・新大陸に配置されている。 ところが、ゲーム初期の貿易品の需要値には多くの州で市場なし(20%)と重商主義(50%)の大きなペナルティが課せられており、 ゲーム開始から百数十年にわたって需要値は20%程度の低い値となる。
このペナルティはヨーロッパ諸国に市場・税関・按察所・税務署が整備される17世紀頃には解消され、 貿易品の需要値は一転して200%近い高い値を取るようになり、 また、この時代となっても貿易品の供給不足は解消されないため、 ようやく植民地の貿易品でボロ儲けできるようになるのである。
以上の仕組みの弊害を最も強く受けている生産物は、香辛料・象牙・砂糖・タバコなどである。 これらは大航海時代前半の有力商品にも関わらず、ゲーム前半ではまともな価格がつかない。 早期に新大陸へと進出したプレイヤーが赤字地獄に陥いる原因はまさにこれである。
他方、綿・コーヒー・茶・陶磁器については貿易品としての価値が出てきたのが 17世紀以降であるため、まあまあ妥当であると考えられるだろう。
修正するとしたら、大航海時代前半の産物を早くから高い需要値を持つようにする事だろう。 システム的には細かく生産物の需要を調整する事は可能っぽいのだが、 いかんせん、参考にするべき詳しい資料が手元にないのでご容赦願いたい。
序盤の交易品への補正は、進出する英西葡3国への足かせになってはないかと。 充分な収支の伸びと兵の伸びを支えてるとは思う。
収支は確かに伸びますが、十分と言えるかどうか。 元の国力が充実している英西はともかく、ポルトガルはかなり厳しいと思います。 あと、工房を立てれば兵力の扶養限界だけは増えますね。 扶養限界の計算には海外補正や熱帯補正がないっぽいです。
ただ、最初から交易品を持つインド~アジア諸国の足かせなのかも
交易品の価格が今の仕様になったのはINかHttTからで、 NAでは交易品にまともな価格がついていたと記憶しています。 実際、重い技術ペナルティがあるのでアジア諸国の収入増は問題でないかと。 (EU3はPCの都合で積みゲーとなっていた時期が長く、 NAを少しだけやって一足飛びにHttTに進んだので古い版の事情には疎いです。)
※古い版では建築物の増加による需要値の上昇(を前提としたゲーム初期の低需要値)がなかったため、 総じてどの産物もまともな価格がついていたようです。 よって、生産物の価格だけをみればアジア有利だったのですが、 技術に乏しいアジア諸国は生産効率が低いため、結局、そこまでは儲かっていなかったようです。
あくまでも私見ですが、開発側はゲーム内における貿易品の交易価値が上昇するまでの時間は、 植民地政策に傾注するユーザーに対して「植民地は十分な時間と資金を注ぎ込まないと儲からないよ」 という戒め?のために設定しているのでないでしょうか。 たとえば植民地建設に向く英葡西の三国いずれかでスタートし、最初期から植民地を建設していった場合、 最初期から貿易品の価値が最大化されてしまっているようでは植民地のメリットが 技術及び立地的に先行可能な三国に限定されてしまいかねないのではないかと。 なお、GC開始から150年ほどが経過すると東欧の諸国家も植民地建設に乗り出してきますが、 GC開始時から百数十年が経過(GC1399年のスタートと仮定して、1550年代)しないと貿易品の価値が上がらないのは、 他国との経済発展のバランスに(特にマルチプレイ時)配慮しての結果なのかなと思います。
英西葡あたりは新大陸に大領土を持っていても、 旧大陸で戦争に負けてあっさり崩壊しているのをよく見かけるので、 交易品の価格を上昇させる余地はあると思います。
とはいえ、やはり交易品の価格は細かく調整した方がよさそうですね。 新大陸で大量に取れる砂糖やタバコの価格には気をつけないと。
なお、プレイヤーなら早めにノルウェーとかモロッコとかを叩いておくと、 15世紀中には新大陸に進出する事も可能です*1。 結局のところ、AIの新大陸進出は主に国策の取得順によって決まっているだけなので、 こちらも頑張ればある程度制御可能なのですが。
北米と南米の植民地は、沿岸COTを持つ国なら早くに回収できるみたいです 1ユニット、10~20D程度の交易品でも、基本は自国のCOTが集散地になるので、成長したCOTのあがりが投資を埋めてくれます 問題は自国のCOTに送られない東南アジア、というか香辛料だと思います。 香辛料だけ制限なしか、価値を相当上げる(いっそ黄金と同じ扱いにする)のは如何でしょう?仰る通り、タバコや砂糖の価値を上げるとバランスが難しくなると思います
defines.txtのCOT関連の定義を見る限り、1州あたりの生産物価格は10程度を想定している事が分かります。 (35州に1COT, 400で新設可能, 300で破棄可能) 実際、日用品の価格もその程度であり、ゲームを長期間続けると400程度のCOTが乱立するようになります。 以上の事から、砂糖・タバコの価格を序盤から10程度になるように調整するように考えています。 他方、産出州があまり増えない香辛料・象牙などなどは20-30程度でもよいかなと。 (貿易品の価格はヨーロッパに市場の配備の進む16世紀後半まで、おおよそ5以下で推移します。)
黄金が特別扱いされているのは、当時の金銀本位制では所持金=金・銀の所有量という事情を反映したものであり、 一交易品の香辛料には馴染まないと思います。
貿易品の価格は最終的に暴騰しますが、これは施設建設による需要増に加え、 産出州が不足する事による絶対的な供給不足にもよっています。 終盤の価格調整を需要と供給のどちらで対応するべきか、考える必要があります。
参考:common/prices.txt
総需要値は以下のような計算式で求められているらしい。
総需要値 = SUM( 100% * 補正値 ) / 1000
GC開始時の州の数は950程度であるため、補正の一切かからない「黄金」や「不明」の需要値は95%となり、 補正があまりかからない日用品の需要値もおおむね似たようなものになる。
総供給値は供給州の和を取るだけでなく、何かしらの定数をかけている模様。 また、総供給値の最大は200%で制限されている。
総供給値 = SUN( 100% * 生産ユニット数 * 補正値 ) * ??
ゲーム全般を通して穀物の総需要値は200%の値を取るが、 いくら供給州の多い穀物でも個々の州が供給するユニット数は1を少々超える程度であり、 一部の大人口の州であってもユニット数は2~3程度である(最終盤のパリでも2.9)。 総需要値と同じように1000で割ったのではこの値にはならないだろう。
参考:common/prices.txt
生産収入に関する熱帯補正は、生産収入と関税の計算時に重複して計算される。そのため、熱帯の海外領土の生産収入はざっと1/4になる。 一方、基本税額は関税と通常の収入に別々の熱帯補正が適応されるため、熱帯の海外領土の基本税収は1/2程度である。
一般に海外植民地は基本税収が低く生産収入が高めなのだが、 生産収入を1/4にしてしまう熱帯補正は海外植民地の長所を完全に封殺してしまう。 ここから多くのプレイヤーが経験で学んでいるであろう結論が導かれる。 つまり「熱帯には入植するな」という事である。
そのためアフリカやインドネシアに対する入植は全く儲からなくなっているのだが、 大航海時代の動機でもあった香料諸島への入植が無意味というのは、ゲームの趣旨的に寂しい限りである。
それにしても、熱帯の生産物の収入に熱帯補正は必要なのだろうか? あるいは直轄植民地は年季奉公人によって運営されているという事になっており、 史実の年季奉公人が慣れない気候と奴隷同然の待遇でバタバタ倒れた事を表しているのかもしれないが、 年季奉公人が多数採用されていた北米やカリブ方面はそもそも熱帯扱いされてはいない。 他の地域では現地住民や奴隷でもって経営されていたのだから、 気候による修正はあまり意味がないように思える。
また、同様に関税収入に熱帯補正がかかるのもよく分からない。 熱帯では輸出港の徴税官が仕事をサボるとでも言うのだろうか?
基本税収に対する熱帯補正については、 熱帯の気候に慣れない徴税官がプロヴィンス全域を駆け回るのは困難だろう、 というような理解もできるのだが。
熱帯補正は、実質基本税1未満の地域だと諦めてます。金山収入は、補正があっても大きいので
ゲームの最後まで香辛料・象牙・奴隷あたりで儲けられない事が不満に思っています。 金山収入も1/4ではナショナリズムの収まるまでの軍維持費がつらいです。
参考:common/static_modifier.txt