きみがもし望むなら、 イスファハーンをくれてやろう。
きみがもし望むなら、 世界の半分はきみのものだ。
1501年、イスマイール1世がアゼルバイジャンのタブリーズに入城したときからサファヴィー朝の歴史ははじまる。 サファヴィー朝をひらいたイスマイール1世は、君主としても将軍としても有能なヒストリカルリーダーとして表現されている*1。 しかし領土はアゼルバイジャンの山間部のみで、軍事力も騎兵1000と歩兵3000という脆弱なものでしかない*2。
国号こそペルシアだが、現在のサファヴィー朝はアゼルバイジャンの辺境国家でしかない。
サファヴィー朝の中核州はアゼルバイジャンからペルシア全域にひろがっている。 しかしペルシアには黒羊朝とホラーサーンが居座っている。 こちらの兵力は4000しかないが、黒羊朝の兵力は少なくとも30000、ホラーサーンは20000以上。
だが怯んではいけない。 すぐにReconquestをつかって黒羊朝に宣戦布告するんだ。 ぐずぐずしてるとオスマントルコがスンニ派の信仰の守護者になってしまい、スンニ派全部に独立保障をかけてしまう。
また怯えてはいけない。 外交官は余っているが、同盟国に助けをもとめる必要はない。 同盟国が戦争に介入すると必要な州を横から占領されてしまい、講和交渉で獲得できなくなってしまう。 とくにホラーサーンと同盟してはいけない。彼らは私たちの中核州を領有しており、とおくない将来、干戈を交えることになるからだ。
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サファヴィー朝はばりばりの軍事的宗教国家として表現されている。 はじめからマンパワーとモラルにボーナスがある。野戦では有利だ。 スライダーは貴族制aristcrasyか陸軍landに振るのがお奨めだ。士気にボーナスがついたり、騎兵の値段が安くなる。 戦争税を賦課し、ローンを組もう。得たダカットはすべて軍事につぎ込もう。 時間は大切だ。傭兵を活用しよう。安定度をあげている暇があれば、金貨を鋳造しよう。
黒羊朝はつよい(兵力が30000もある)。だがつけいる隙はある。 黒羊朝はたいてい、30000ある兵力を分散してこちらの州を占領しようとする。それを各個撃破しよう。 こちらが10000強も戦力を整えれば、宗教ボーナス*3とナショナルアイデア*4と将軍効果*5があるため、同数程度の会戦であればほぼ勝利できる。 戦力を集中して敵を削ろう。負けても怯むな。徴兵を続けて再度挑戦しよう。 こちらの後方では徴兵を繰り返し、あちらの後方ではスパイをつかって反乱を煽動して戦力補充を妨害しよう。
勝利は近い。
以上のような点に注意すれば、黒羊朝の野戦軍を掃討するのは難しくないはずだ。 あらかた片付いたら、すぐに相手の州を占領する作業にはいろう。 あ、徴兵はもう結構だ。軍の維持費が財政を圧迫するようなら、傭兵は解散してもいい。
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もしかしたら、ティムールの軍隊が黒羊朝の領土を占領しているかもしれない。 そのときはスパイをつかってその州で反乱を起こし、ペルシャのナショナリストかシーア派の狂信者に再占領させてしまおう。 反乱者たちの占領地は黒いストライブで塗られるが、和平交渉で要求できる。 また一定の時間がたてば、彼らの占領地はサファヴィー朝のものになる。
戦勝点が充分に達したら、黒羊朝との講和交渉にはいろう。 中核州はすべていただきだ。しかし黒羊朝の首都だけはとれない。これは次回に持ち越しだ*6。 メソポタミア地方はどう処遇しよう? これらはサファヴィー朝の中核州ではない。 BBRと引き替えに領土割譲させてもいいが、今回はイラクを傀儡国家として独立させておいた。
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こうして黒羊朝はほぼ無力化された。
しかし課題はまだ残っている。私たちは中核州のすべてを回収したわけではない。 目を東に転じてみよう。ホラーサーンがいる。彼らは私たちの中核州を占領している。 これらをとりもろさなければならない。
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ホラーサーンはシーア派国家なので、オスマン(あるいは他のスンニ派の信仰の守護者)の庇護下にはない。安心して宣戦布告しよう。 安定度だって気にすることはない。彼らは私たちの中核州を占領しているので、Reconquestが選べる。 もし友好度が高くてペナルティがつきそうなら、一回侮辱をすれば済む話だ。
ホラーサーンを降伏させるのに大きな軍事的障害はないだろう。 こちらには黒羊朝とのたたかいのなか増強した軍事力がある。
彼らはしばしばティムールのテリトリーを侵しているので、そちらも忘れずに占領しておこう(ホラーサーンの入植者たちによって領土が増えると厄介だからね)。
また、ホラーサーンは外交能力に優れていて、シーア派諸国やインド諸侯と同盟しているかもしれない。 しかし中東随一の軍事力ボーナスがあるサファヴィー朝ペルシアには、それらの妨害をすべて排除できるポテンシャルがある。 例外は、オスマンかマムルークが絡んでいるときだけだ。そのときだけは、ホラーサーンへの宣戦布告を自重しようではないか。
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さあ、講和交渉だ。
黒羊朝のときと同じように、ホラーサーンのときも、首都だけは一回目の戦争で獲得できない*7。 BBRにさえ配慮していれば好きなように処遇してもらって結構なのだが、今回はバルチスタンを独立させ、中核州をいくつか回収するだけで許してやった。
不要な歩兵をリストラし、ローンを返済しおえ*8、戦争疲弊をとりのぞき、ペルシア湾岸のシーア派諸国に独立保障をかけてまわろう。 シルクロードとインド洋交易の拠点に商人を派遣し、行政官があるかぎり建物をつくり、宣教師を派遣して異教徒を改宗させ、遊牧国家に植民者を派遣しよう。
これらをすべてやり終えた頃には、黒羊朝とホラーサーンとの和平期限も切れていることだろう。 第二回戦のはじまりだ。
とはいっても、ホラーサーンの対処に大きな障害はない。宣戦布告し、占領地をひろげ、併合すればいいのだ。 問題は黒羊朝だ。というのも、黒羊朝はスンニ派なので、宣戦布告すると十中八九オスマントルコが介入してくるのだ。
オスマントルコにどう対処するかはプレイヤーの好みによるだろう。 彼らを敵に回すことを慎重に避け、黒羊朝から中核州を回収することを諦めることも選択肢の一つだ。 また、彼らを徹底的に滅ぼすために、インフレや戦争疲弊やBBRを無視して軍拡と侵略を行うことも選択肢の一つだ。 しかし今回は、さきの二つの選択肢よりももうすこし現実的な路線をえらんでみた。 つまり、黒羊朝からは中核州を回収する。そしてオスマントルコに対しては遅滞戦術をとって、白紙和平を目指すというものだ。
地図を確認しよう。
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サファヴィー朝の旧都タブリーズ付近の地図だ。 ご存じのようにコーカサス地方は山がちの地形で、守るに易く攻めるに難い。 彼らはここをとおって侵攻してくることが予想されるので、この山岳地帯に防衛ラインを布こう。
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サファヴィー朝の主力部隊は旧都タブリーズ(Azerbizyan)に置く。 ここを中心に機動防御するわけだが、なぜタブリーズなのか? 理由は簡単で、首都が落とされると戦勝点でも戦争疲弊度でも大きなディスアドバンテージを被るからだ。 オスマン軍は矢印の方向に沿ってすすむと思われる。 タブリーズ以北は占領されるに任せよう。防衛戦争では我慢が大事だ。ここで焦っては何もならない。 重要なのはオスマンがxxを通過するときだ。 他の山岳州とちがって、この州の地形は平地だ。 つまりここで野戦すればペナルティをうけることがない。 タブリーズに若干の兵を残しつつ、オスマンがxxをとおってペルシアに侵攻してきたら、騎兵をだしてこれを叩く、という戦術だ。
ではこの計画のとおりやってみよう。
まず黒羊朝の首都と彼らの飛び地の近くに軍を配置する。 つぎに黒羊朝に宣戦布告。もちろん彼らの信仰の守護者であるオスマンも黒羊朝側で参戦してくる。 すぐに黒羊朝全土を占領し、ペルシアの中核州を回収して和平する。 さあ、あとはオスマンとの一騎打ちだ。
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ご覧のように、タブリーズに3万4000の兵を結集することが出来た。 一方、オスマンは1州につき9000~16000ほどの兵力で侵攻してきている。 彼らは州を占領し次第、てんでばらばらに南進してきて、xxにはいってきた。 これを打つ。
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作戦は非常にうまくいった。 オスマン軍を各個撃破することによって彼らの戦力は消耗し、戦争疲弊度は上昇する。 余裕があれば軍を前進させ、オスマンに占領された州を奪回しておく。こうして壁の数を稼ぐのだ。 数年ほどしたら、オスマンと和平をむすぶことに成功した。 この世界におけるチャルディラーンのたたかいは、サファヴィー朝の戦略的勝利におわったのだった。
以上のような手順を踏めば、アゼルバイジャンの地方政権だったサファヴィー朝も問題なくペルシアの統一国家になれるわけだが、そんな面倒なことはしたくないという御仁もおられるかもしれない。また、時間の都合でパッ、サッと統一ペルシアからゲームをスタートしたいという方もおられるだろう。 そういった方は、ゲーム開始時期をちょっといじればいいのである。
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たとえばチャルディラーンの戦い直前の1514年からであれば、サファヴィー朝の最大版図からゲームを開始することが出来る。
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あるいはイスマイール1世が亡くなる直前の1534年からゲームを開始すれば、オスマン帝国は東地中海のイスラム世界を統一しており、歯ごたえのあるライヴァルとしてサファヴィー朝に立ち向かってくるだろう。