アメリカ独立からフランス革命、そして国民国家の成立……近代は特に南北アメリカ大陸において、様々な国家が独立していった時代です。 では、そうした国家は「ヨーロッパの普遍化」の時代の残滓に、一体何ができるのでしょうか?
・リロードなし、チートなし ・とりあえずなんかやる
後はお約束。
このAARは、歴史上に存在した、あるいはその後の歴史に関わった、いかなる国や民族、集団あるいは個人をおとしめる意図も持っていません。ときに過激な表現が出てくることもありますが、それはあくまでゲームの内容を明確に説明するためのものですので、あらかじめご了承ください。
DW日本語版5.1 「幸運」をランダムに。後はデフォルト。
1804年1月1日に設定すると、カリブに独立国家としてハイチが登場します。
「20年かければバカでも傑作小説が書ける」というアニメの台詞がありますが、この時点での残された時間は僅か17年! 周囲をスペインを始めとする列強に囲まれ、たった2プロヴィンスの国家が果たして何ができるのか……?
しかしこの国、実はポテンシャルは高かったりします。 あくまで革命フランスから独立した国であるため(ヨーロッパではナポレオンが大暴れの最中です)、西洋技術グループであり、しかも技術レベルは全て62。軍隊も優秀なユニットが揃っています。 ……ええまあ、経済基盤が弱くて数が揃えられませんし、初期は1個連隊+大型艦1隻+輸送艦1隻ですが……。 そ、それはさておいても、DWからの新要素、建造物の大幅増加の恩恵も受けて、人的資源に問題はありません。 さて、となればこれを持ってどこへ行くか、と言うわけですが。
まあ、基本ですね。 と言うわけで、国家規模が小さいことによる安定度の回復が早いというメリットを生かして国策をがしがし変えつつ、アフリカ西岸への植民を狙っていきます。 植民地探検で入植者を増やし、国立銀行で基盤を固め、普段のプレイでは取ることのない希望の地(植民地成長+33%)なんかも取っていきます。熱帯のペナルティを大幅軽減できるので、今回のプレイではかなり助かるはず。 そうしてウィダに植民が成功したら、そのままの勢いでベナンに仕掛けます。
1プロヴィンスの異教国家なので、あっさり併合。さらにオマケでついてきたセグからも大量に領土を奪った上で属国化。 こうして大量の海外領土を獲得しました、が。これでうはうは、といかないのがEU3なのですよね……。
賢明なる閣下はお気づきかと思いますが、首都がカリブで植民地がアフリカ、ということは、アフリカからのアガリは基本、全て関税となります。そして、関税収入を維持する為には相応の規模の艦隊が必要になるわけです。 しかし、ハイチの規模では関税収入を維持するための艦隊の維持が、関税収入を吹き飛ばしてしまうという負のスパイラル。結局のところ、新興の小国が今更植民地経営に乗り出しても旨みなどない、ということでしょう。国策で艦隊維持費を下げれば良かったのでは、と気づいたのは今更になってだった。 とりあえず6隻の艦隊を造ってお茶を濁しつつ、それでも植民地経営に乗り出します。しかし、ないないづくしの領地をハイチがどうにかしようとするには、あまりにも色々なものが足りない。実際には頻発する叛乱をなんとか鎮圧するだけで手一杯です。
それだけに追われるのもなんなので、裏では教皇庁への接近などもしてみました。 下図はめでたくハイチ出身の枢機卿が出た瞬間です。
さて、そうこうするうちにハウサから侮辱を受けたので、生意気なとばかりに宣戦布告。しかし、これが大きな間違いだったのでした。
マリ、フンジ、ソコトが出てくる……までは予想できたのですが、そこでさらにマリの同盟国であるモロッコが出てくるのが、完全に計算外でした。 モロッコは北アフリカのイスラム国で、技術レベルも41とそれなりに戦えるレベルは有しています。特に戦力を揃え、前線まで送り届けるだけで一苦労なハイチの場合、モロッコの数はそれだけで脅威です。 結局、ハウサ、マリを早々に脱落させて属国化し、その後モロッコまで遠征するものの勝ちきれず、25D支払っての講和。不十分な戦力で戦争を仕掛けるべきではない、という手痛い教訓でした。
ゲーム最終盤は、スペインの凋落が目立ちました。各地で叛乱が連発し、ベネズエラ、ラプラタ、メキシコが独立。日の沈まぬ国は、いよいよ落日を迎えたようです。 ハイチはこれからどうなるのでしょう? アフリカに有するプロヴィンスの幾つかは金と……そして、奴隷を産出しています。近代の洗礼を受けるとき、これらがハイチに取って大きな枷となるのかも知れません。
なにぶん僅か17年のプレイということで山も何もないAARですが、これにて終了となります。 EU3きってのショート・スプリント。皆さんも実験してみて下さい。