最初に暴露してしまうと、このフランス戦、二度リロードしている。 一戦目は、ノルウェー戦と同じ感覚で突っ込んだところ、おおよそ二倍の兵力であるはずのこちらが敗北。そのまま態勢を立て直せずに一気に押し切られてしまった。 二戦目は今度はある程度考えて立ち回ったのだが、やはり野戦での敗北が続いたところで歩兵、騎兵それぞれ2万の部隊が壊滅。次々カナダ沿岸部に上陸してくるフランス軍に抗しきれず、リロードと相成った。 とは言え、二度の敗戦に得る物はあった。それを教訓として、三度目の戦争に挑む。
まず、下の表を見て貰いたい。
名前 | 兵科 | 白攻 | 白防 | 射攻 | 射防 | 士攻 | 士防 |
ラテン竜騎兵 | 騎兵 | 2 | 2 | 5 | 4 | 5 | 5 |
アメリカ竜騎兵 | 騎兵 | 4 | 2 | 0 | 0 | 6 | 4 |
ブルーコート歩兵 | 歩兵 | 7 | 6 | 7 | 6 | 9 | 9 |
西欧化中央アメリカ歩兵 | 歩兵 | 2 | 2 | 3 | 3 | 4 | 4 |
これはこの時点(イロコイ陸軍49、フランス陸軍47)での双方の主力ユニットの能力比較である。 騎兵同士は辛うじて勝負になりそうな気もするが、歩兵の質の差が余りに圧倒的である。これが、「二倍の兵力でも負ける」元になっている。砲兵を活用すれば多少なりともこの差は埋められるのだが、生憎と資金不足でこの段階では用意できなかった。 ちなみに総兵力は、イロコイ側が騎兵4万、歩兵5万。フランス側はたくさん、というのは流石に冗談だが、北米にいるのはおおよそ騎兵4万、歩兵3万、砲兵1万といったところ。ただし、人的資源と打撃力に差があるため、壊滅させない限りはほぼ無制限に復活する。 この条件下で勝てるのか? と問われれば、無理と即答する。だが別に勝てなくてもいい。要は領土を取られなければ負けではないのだ。ではその為には? となれば、戦勝点を積み上げればいいということになる。 と、口で言うのは簡単だが、実際にやるのは楽ではない。なんとなれば、フランス側の領土のうち、取りやすい部分は軒並み戦勝点が低いからだ。高そうなところには大体4~5レベルの要塞が既に鎮座している。これらの条件下でフランスに勝つ為には、様々に留意するべき点がある。
1:野戦で負けない
野戦は、勝てば戦勝点+1、負ければ戦勝点-1である。理屈上、野戦で40回勝てばそれだけで有利な講和を結べるレベルに到達する。んな無茶な、と思われるかも知れないが、意外とAIはバラの歩兵(1個連隊)でこちらの領土を包囲しようとしてくる。これを潰しているだけでも、意外と戦勝点は稼げるものだ。後はそれをフイにしない為にも、こちらから仕掛ける場合は必勝の態勢を作る必要がある。
2:戦力は常に3対1
身も蓋もないが、倍ですら勝つのは困難、となれば、3倍の兵力を叩きつけるしかない。騎兵4万を集中運用し、歩兵3万をサポートにつけてようやく敵の一団(騎兵1万5千、歩兵5千、砲兵5千)に勝てるレベルなのだ。だからこそ、戦力の逐次投入は厳に慎むべきである。
3:焦土戦術
焦土化したプロヴィンスは最大損耗が+10され、夏場ですらユニットの数によっては15%の消耗が発生する。こうして数を減らし、十分にすり減らしたところで野戦を挑めば、相手が大部隊でも勝ち目は見えてくる。そうでなくても、時間稼ぎにはなる。
4:確実に殲滅する
敗走中の部隊は兵力、士気共に回復しない。つまり、こちらが野戦で勝つことを前提においかけっこを続ける限り、月をまたぐたびにこちらが有利になるのだ。一旦敵の一団を敗退させたら、殲滅するまで絶対に追撃の手は緩めてはならない。
5:欲張らない
彼我の戦力差は弁えるべきである。「プロヴィンスの割譲を迫れるかも」などという色気を出すべきではない。迅速な和平こそ最上の結果と心得るべき。
第三戦では上述の指針を厳守し、三つに分かれていた敵の部隊を順次殲滅。プロヴィンスも占領していき、戦勝点が20%になったところで、25Dの賠償金を支払って講和した。「何故賠償金を払うのか?」と思う向きもあるかも知れないが、これはイロコイの立場の弱さに起因している。この時点で既に人的資源は払拭して部隊の回復もままならず、さりとてフランスは痛み分けすら蹴る状態だったのだ。或いはもう少し時間をかければ確かにフランスを追い込めたかも知れないが、それ以上に本国から大量の増援が来ることを恐れた。それゆえの講和である。確かに25Dは支払ったが、領土は寸土も失わなかった。これは、実質の勝利と言ってよいだろう。ともあれ、イロコイは最大の危機をここに脱したのである。
さて、この後はもうあまり書くべき事は残っていない。フランスはその後、結局仕掛けて来ることはなかったし、ノルウェーは相変わらず弱かった。
上記はゲーム終了直前の北米の様子である。ノルウェーは北米南岸の領土を全て失い、大部分はイロコイに割譲され、一部はチェロキーとルイジアナとして独立した。そのルイジアナもこの時点ではイロコイの属国である。植民は北米の東岸を除くほぼ全土と、ハワイにまで及んだ。そして1811年には、
まさかの教皇領からの同盟の打診である。……「異端は異教より罪深い」と言うが、それでいいのか教皇領。ウチの国教はシャーマニズムだぞ。そりゃ確かに一部にカトリックのプロヴィンスはあるが。
ともあれ、この世界の強国を7つ挙げよ、と言われればその一つに入るまでにイロコイが成長し、1821年を迎えたところで、今回のプレイは終了である。最後に、世界情勢を見ておこう。
まず大躍進の教皇領。なんとインドをほぼ全て掌中に収めている。僅かに南端がスペイン領であるのと、ゴアにビジャーブルが生き残っているぐらいである。イタリアほぼ全土とブリテン島も占領し、暫くはこのカトリック最高権威はその力に於いても揺るぎない物だろう。 対抗馬とも言うべきオスマン帝国とマムルーク朝も強い。アラビア半島を抑えるマムルーク朝もだが、オスマン帝国はバルト海から北海まで打通し、のみならず台湾、シベリアにまで植民しているのだ。げに宗教戦争が恐ろしい世界となっている。 中国では満州が明を追いつめている。明の滅亡は時間の問題だろう。 ヨーロッパは教皇領を除けば、最後までフランス、スペイン、オーストリアの三強だった。これらは世界中に植民地を持ち、繁栄を謳歌している。 ちなみにブリテン島だが、
なんか面白いことになっていた。いや、革命イングランドってどうよ……。
ちなみにモロッコもそうだが、マリとソンガイも最後まで生き残っていた。イギリスとポルトガルの早期リタイヤの影響なのだろうが、正直意外であった。
さて、以上で興味深い発見に満ちあふれたイロコイのAARを終了する。もしこのトンチキな世界のセーブデータが欲しいと仰る奇特な方がいれば、どのぐらいの年度の物が欲しいかコメントに書いていただきたい。近い年度のものを何らかの形で提供しようと思う。 また、次にどこの国で、どんなプレイを、などのリクエストもあれば、やはりコメントに書いていただきたい。次回があれば、参考にさせていただこうと思う。
それでは、よきパラドゲーライフを。