前回のラストで西欧化は済んだわけで、ここからは言わば内政の時間となる。少しでも遅れを取り戻さなければいけない。 技術開発だが、まず目指すべきは当然のように陸軍4。西欧化しようが技術レベルが幾つになろうが、占領即奪取というのはPaganである以上変えられない。ならば、せめて占領されにくいよう要塞は作らなければならないからだ。また、万一の反乱などにも備えやすいという面もある。 陸軍が4になり、要塞を建て始めたら今度は統治4、生産9をめざす。統治4での最初の国策は植民地探検。前回も言ったが、ここまでイロコイには入植者を得る方法がない。この国策(年間植民者+1)が唯一の方針なのである。そして、空き地ばかりの北米ではこれしか領土を広げる方法がない。いやまあ、もう一つあるにはあるのだが……。 ちなみにこれ以降は2つ目で国立銀行を取り、財政改善。3つ目以降は状況次第だが、新世界の探索、国民皆兵、軍事演習辺りが必要だろう。特に国民皆兵と軍事演習は、万が一の戦争の可能性を考えれば必須と言っていい。できれば大陸軍も欲しいところだが、そこまでの余裕はないかも。 さて、手に入れた入植者を南の経済価値の高いプロヴィンスへ押し出しつつ、なるべく陸軍を優先しながら技術投資していると、1639年には南方のプロヴィンスが見えるようになった。ショーニーが生き残っているが、その南方にノルウェーが見えており、いつ滅ぼされるかも分からない状況だ。 ……さて、読者諸兄には将棋や囲碁をする方はおられるだろうか? どちらにも共通する格言として、次のようなものがある。
敵の打ちたい所へ打て。
敵の打ちたい所とは即ち急所であり、そこを先に取れれば有利になる、ということである。ここまで言えば、賢明な読者諸兄には次の展開はおわかりであろう。
敵に食われるぐらいなら、先に食ってしまえばいい。
かくて、イロコイの領土は一気に広がったのであった。現実は斯くも無情である。
さて、1651年になる頃にはほぼ全ての技術が17まで上がり、陸軍については21となった。これは新世界の技術グループであっても新式の兵科と、そして騎兵を使えるようになる……はずなのだが、バグなのかなんなのか、騎兵が雇えるようにならない。Wikiのコメント欄では馬がいないからどうこうという記述があったが、だとするとハードコードなのだろうか? 少なくとも筆者はそれに該当する記述をデータから見つけることはできなかった。その為、今回は途中でセーブデータを調整して(規定ユニットに騎兵の記述を追加すれば、以降はアップグレードが起こっても普通に新しい騎兵を採用できる)騎兵を使えるようにした。その点、悪しからずご了承いただきたい。 まあ、だからと言ってヨーロッパ諸国に喧嘩が売れるわけでもない。1660年には、最先進国フランスの陸軍技術は30である。しかもデータを見てもらえれば分かるが、同年代のユニットで比較した場合、新世界グループのユニットの能力は悲惨の一言に尽きる。まともな喧嘩にすらならないのだ。ともかくも、暫くは植民で領土を広げつつ、技術開発と軍拡に専念する。
その甲斐あったか、1663年にはスペインから同盟の使者が来た。こっちから頭を下げても友好度200ですらまず目がないので、大変にありがたい。
その後も平和な時間は続く。……平和な時間と言っても、こっちは常に綱渡り気分だが。ちなみにこの頃、ノルウェーは既に本土をスウェーデンに叩きだされ、そのスウェーデンも南はオーストリアとオスマン帝国、東はキプチャク・ハンから囲まれてるかなり厳しい状況である。まあ我々イロコイには関係のないことだが。 そう、ヨーロッパ本土については関係ないのだが、ノルウェーの動向そのものは関係がある。手が届く範囲にいる中で、唯一対抗できそうな相手がノルウェーなのだ。ミッションや大義名分もある以上、なんとかしてノルウェーを攻めたい……のだが、向こうもあちこちと同盟を結んでいるため(特にフランス)、直接の宣戦布告は避けたい。そこで挑発や、他のノルウェーの同盟国(海の向こうで互いにまともに手出しできない)に仕掛けたりをするのだが、全く乗ってこない。
ちなみに上記は1678年に陸軍が27に達し、新たに使えるようになったアメリカ・マスケット攻兵を選択しようとしている場面。ヨーロッパであれば、陸軍18で使えるマウリッツ歩兵が射撃4/3、白兵3/1、士気6/4である。……書いてて泣けてきた。 さて、そうやってあーでもないこーでもないとやってるウチに、一つ奇妙なことに気が付いた。他国に戦争をふっかけても、同盟国のスペインは乗ってこないし、向こうの同盟国も参戦してこない。にも関わらず、同盟が切れる気配もないのである。
……これはつまり、Paganの戦争時には基本的に同盟国は介入できないということですか?
ちなみに、スペインが戦争する場合は大体こっちに参戦要求してくる。尤も、インドの戦争に参戦要求されても何ができるわけでもないのだが。 それに気づけばこっちのもの、とばかりにノルウェーに宣戦布告。やはり、同盟国は参戦してこなかった。1対1、ノルウェー相手なら十分に勝ち目がある。 ちなみに、「保護」や「警告」の場合は、同盟とは別の単位で参戦してくるため、これらには上記のルールは適用されないので注意が必要。
さて、ノルウェーとの戦争であるが……基本的に、「数で押す」しかない。幸い、この時点で陸軍技術で差をつけていたのだが、それでも同数ではユニットの質の差でまず押し負けるのである。最低倍を揃え、指揮官を付けるのは鉄則である。野戦軍さえ殲滅してしまえば後は普段通りなので、恐れることはない。 すったもんだの末、3州割譲させることに成功した。まずは幸先のいいスタートと言えるだろう。
この時点では先述した騎兵に関する修正はまだしてなかったので、その時のノルウェーから奪ったプロヴィンスでの連隊編成画面。歩兵の圧倒的戦力差が実に泣ける。なお、騎兵を使えるようにすると、連隊は4種類までしか表示できないのか、グスタフ式歩兵が消えてしまった。さらに泣ける。
その後、1710年になって、またノルウェーと戦争を行った。この度はこちらも騎兵を揃えていたのだが。
……理不尽さを示すにはこれ一つで十分だろう。技術格差があってこれである。モビルスーツの性能差がどーたらこーたらという台詞を言った赤い人がいるが、やっぱり性能差は戦力の決定的な違いである。 とは言え、「戦いは数だよ兄貴!」というのも真実なわけで、数に任せたごり押しでなんとか勝つことに成功。Pagan相手だと中々講和を結んでくれないが、それを逆手に取って安定度を下げまくってやれば大体泣きついてくる。
1711年には講和成立。ノルウェーから領土をさらに幾ばくか分捕ることに成功した。
ついでながら1700年頃のこの世界について記述しよう。なんか無茶苦茶カオスになってて面白いので。
台湾の緑色が見えるだろうか? これ、実はオスマン帝国である。……なんでこんな所まで。
ブリテン島はほぼ全土が教皇領になり、ロンドンだけがオーストリア領になっている。……外交併合されたらしい。そう、地球上からイギリスという国が消えた瞬間である。ちなみにアイルランド島はアイルランドとレンスターが争っている。
バルト海周辺の映像。この緑色もオスマン帝国である。大躍進だな。青はスウェーデン、茶色はフィンランド。ちなみにヨーロッパ中央方面は、スペイン、フランス、オーストリア、教皇領が四強として君臨している。
他にも
……などなど、壮絶にカオスな世界となっている。 まあとは言え、我らがイロコイには所詮海の向こうの出来事。ノルウェーをボコにしつつ、西海岸までの植民を完成させ、金山も幾つか見つけてもう山はないかな……という考えが甘かった。 1751年、フランスがイロコイに宣戦布告。世界最強の国が、イロコイに牙を剥いた。