さて、では前世の記憶を持って1399年に戻るとしよう。まずはフランス、ロレーンと婚姻及び軍事通行許可を頂く。これでフランスとの戦争は当分回避できよう。さらにイングランドと婚姻を結ぶだけにしておき、同盟は結ばない。これでブルゴーニュはあの血みどろの百年戦争と関係の無い歴史を歩めるわけだ。ブラバントから同盟に誘われたのでこれにも加入しておく。スタートダッシュができないブルゴーニュでは序盤で力を溜めるのが最善と言えよう。
ゲーム開始から15年。たっぷりと力を付けたので低地諸国に進行する。まずは神聖ローマ皇帝のボヘミア様やオーストリアがデンマークとの戦争で忙しい隙を突いて、ホランドと同君連合を組んでいたエノーに突然の宣戦布告。理由ですか?そうですね、あえて言えば後ろがフランスだから。 サクっとこれを併合し、デンマークと和平して遠路はるばる遠征してきたボヘミア軍を撃退。フランス様に比べれば実に楽勝な相手である。(もちろん遠征してきているからだけど)
#ref7(ref7.jpg) 図7:遠路はるばるご苦労だったボヘミア軍を撃退した後。これで神聖ローマ皇帝らしいですよ?ちなみに彼らはこの後ポーランドに狩られて皇帝の座をブラバントに明け渡しました。こんな遠くまで遠征するからですよ。
#ref8(ref8.jpg) 図8:彼らはまだ百年戦争しているらしい。いやいや、あんな凄惨な戦争に参加するのが御免こうむる。
先の戦いで残り1州となったホランドを併合したいが、彼らはブルゴーニュの背後にいるロレーンとスイスと同盟を結んでいた。むむむ、上手いことブルゴーニュ包囲網を組んできたな。ここら一体で大国であるブルゴーニュとはいえ、中堅国家2つと神聖ローマ皇帝のブラバント3国同時相手することはちょっとキツい。ということでカレー欲しさにフランスにボッコボコにされたイングランドにケンカ売って、ヨーロッパ大陸のイングランド領を占領する。しかし彼らは一向に和平に応じない。
これからどうしようかと思っていたらイングランドを下して勢いづくフランスが突然ロレーンに宣戦布告を始めた。当然神聖ローマ皇帝たるブラバントはロレーンを援護する。 ということはである。今まさに低地地方はガラ空き。タイムリーにイングランドからの白紙和平が来たのでこれを受けて、戦争する相手を変えて今度はホランドに宣戦布告。理由ですか?フランス様に聞いてください。ついでにイングランドに宣戦布告したときに失礼にも同盟を切ってきたブラバントにも宣戦布告し、占領していく。ボヘミアもそうだったが、オーストリア以外の神聖ローマ皇帝は国力が無いのに戦争に借り出されるから大体不幸な結末になる運命らしい。 それにしても、一度ならず者国家になってしまうと開戦理由なんてどうでもよくなってしまう。まさにヤクザ国家一直線である。
[フランスの二年天下とその没落] さて、仲良しクラブである神聖ローマ帝国は次の皇帝にハンガリーを選んだらしい。ここまでは妥当だろう。しかしその次に選ばれた皇帝がフランスってのは散々ドイツ諸侯を虐めたブルゴーニュに対する嫌がらせ・・・なんだろうなぁ。これはブルゴーニュの拡張路線が事実上の詰みを迎えたことを意味する。・・・のだが、たった2年でブランデンブルグに移ってしまった。ブルゴーニュにとっては最悪の悪夢が終わったわけだが、一体あれは何だったんだろう?
#ref9(ref9.jpg) 図9:ここまでCPUのAIに関心したことはなかった・・・んだけど一体どうした?
ヨーロッパは大国が弱小国家を食べる大国同士の大規模戦争が無い平和(?)な時代だったが、ついに筆者が望んでいた展開が起きた。カスティーリャとフランスが共にアラゴンから領土を割譲させた結果、この2大国が国境を接するという事態になったのであった。
筆者が今回プレイして痛感したのは、INになってからAI国は同盟の締結、参戦などを友好度や婚姻などよりも利害の一致によって決定するようになったという点である。具体的には脅威と感じている国家やライバルと見ている国家などで判断している。どんなに友好度が高くても意味の無い2大国の同盟にはなかなか応じてもらえないし、勝ち目の無い戦争には参戦してもらえない。それどころか婚姻を結んでいても食べ頃と判断されれば容赦なく宣戦布告される。
という新しいAIの習性をふまえると、まさにこの状況はフランスを脅威と認識し始めたカスティーリャと同盟を結ぶチャンスであり、それはまさに成った。1440年、百年戦争はとうとうおかしな方面に動き出した。 さらに3年後、粘り強く交渉した結果ついにイングランドとも同盟を結ぶことができてしまった。これによって微妙なパワーバランスによって成り立っていた4国の均衡は崩れた。 いくらフランスが強力な陸軍と豊富なマンパワーを持っていたとしてもこの連合軍に太刀打ちできるはずもなく、フランスは多くの領土の割譲、属国の解放を強いられることになった。
ここからがEU3における恐ろしき国家転落の始まりである。 当然のように敗戦国フランスには反乱軍が沸き始め、小国の独立まで許す事態となった。さらにフランスには不幸なことにヨーロッパ大陸の領土を増やしたイングランドは三国同盟から抜け、フランスが食べやすい国に片っ端から独立保障をかけるというプレイヤーも驚きの抜け目の無さだったのである。 ここまで賢いAIなのに独立保障によって参戦する国までは考えられないのか、フランス様は小国に宣戦布告し、当然参戦してくるイングランドに再びボコボコにされる。これはもうまたと無いチャンスと当然ブルゴーニュ・カスティーリャ同盟も戦争をふっかけて再びフランスをボコボコにする。 その後イングランド、カスティーリャ・ブルゴーニュは停戦期間が終了するたびに代わるがわるフランスにケンカを吹っ掛け、領土を割譲、領有権の取り下げを要求していった。捕食者が互いに戦火を交えるという事態も一度だけあったのだが、そのときはカスティーリャの一人負けで終了して再び始まった対フランス戦争でうやむやにされた。
そして1482年、ついにフランスの首都イル・デ・フランスがブルゴーニュ領になったときに百年戦争は終わりを告げた。 ジャンヌ・ダルク?ああ、史実にはそのような人もいたんでしたっけ?
#ref10(ref10.jpg) 図10:ついに成った三国同盟。いやはや、外交孤立とはいつの時代も恐ろしいものである。
#ref11(ref11.jpg) 図11:40年近くでここまで変わってしまった。ポルトガルもカスティーリャに食べられ、フランスもこの有様である。北欧はスウェーデン(luck国家らしい)の一人勝ちであり、イタリアはミラノとナポリが頑張っていて、東欧は独立や併合のメッセージがたびたび出るところを見ると戦い続けているらしい。かなり史実と異なった大航海時代を迎えそうな感じだ。